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遺産分割の手続きの流れ

1 争う前の準備

(1)親族関係の把握

まずは、亡くなった被相続人の誕生から死亡までのすべての戸籍を取り寄せて、親族関係を把握します。当事者でも知らなかった養子縁組が判明することもありますし、何より、最終的に裁判所に持ち込む場合は、必ず戸籍を提出しなければなりませんので、被相続人の戸籍を取得する必要があります。

(2)相続人の確定、相続分の確認

次に、相続人を確定し、相続人の相続分を確認します。民法に、親族の中で誰が相続人であり、何割の相続分があるのかが規定されています。たとえば、夫が亡くなり、妻と子供が2人いるという場合、妻は50%、子供がそれぞれ25%の相続分を持っています。

もっとも、遺言があれば話が変わってきますので、必ず遺言がないかどうか調査しなければなりません。もし、家の中から被相続人が作成したと思われる遺言を見つけた場合、絶対に開封しないでください。開封するためには、裁判所において、「検認」という手続きが必要です。また、相続人の資格を失う「欠格」「廃除」という制度もありますので、調査が必要です。

(3)相続財産の確定

相続財産は、不動産や預貯金、株式などさまざまです。「他にも通帳があったはずだ」など、相続財産の範囲が争いになることは非常に多いです。

(4)特別受益・寄与分

たとえば、被相続人が生きているとき、次男だけがマンションの頭金を出してもらったり、独立開業するための資金を出してもらったという事情があるかもしれません。これらを「特別受益」といいます。

また、被相続人が生きているとき、身分関係や親族関係から通常期待される以上に被相続人の財産を維持、または増加する行為を行った場合、その寄与者の相続分に寄与分額を加算する「寄与分」という制度があります。なお、被相続人の介護を行っていた場合、それが寄与分に該当するか否か、争いが多くなっています。

このような場合に、遺産を、相続分で均等に分割するのは不公平ですので、特別受益や寄与分について考慮した上で平等に分割することになりますが、相続人は、お互いに特別受益や寄与分を主張し合うことが多く、争いになりやすいところです。

2 争う方法

(1)裁判外での交渉

まずは、裁判所の手続きを採る前に、協議により遺産分割の合意ができるよう、相続人全員に対して交渉を行います。しかし、弁護士が介入しても、協議により遺産分割の合意ができないケースもありますので、交渉によりまとまる目処が立たなければ、できるだけ早く、裁判所の手続きを採ります。

(2)調停

裁判所の手続きは、「調停」と「審判」の2種類があり、通常、「調停」を先に申し立てます。

調停の手続きは、裁判官1名と、調停委員2名(男性と女性)で構成される調停委員会が、当事者の意見を聞きながら、適切な遺産分割の提案を行い、当事者全員が合意できる遺産分割の方法を探っていくというものです。調停の手続きでは、調停委員会の指示や提案には強制力はありません。あくまで、当事者の全員が合意できる場合に限り、調停が成立することになり、当事者の1人でも反対すれば、調停は不成立になります。

(3)審判

調停が不成立になった場合、「審判」の手続きに移行します。

審判の手続きは、裁判官が、調停で出てきた当事者の主張や証拠を検討して、「このような形で遺産分割を行う」と、判断を下すものです。審判には強制力がありますので、審判により事件が終了します。ただし、不満のある当事者は、高等裁判所に「即時抗告」という不服申し立ての手続きを採ることができます。

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