スタッフブログ「複製権って何?」
■本日のテーマ:著作権における複製権
渋谷カケル事務所のスタッフ山本です。
著作権は、普段私たちが楽しむ漫画や映画・聞いている音楽など、あらゆる創作物に関与しており、実はとても身近な法律です。
今回は、そのなかでも特に頻出度の高い複製権を見ていきましょう。
■日常に潜む複製例
以下の3例の中で、どれが複製権の侵害にあたるでしょうか。
(A)好きな漫画を全ページのコピーをし、知人にプレゼントした。
(B)路上ライブで弾き語りされていたオリジナル曲を気に入ったので、頭で記憶したうえ、譜面に書き起こした。
(C)2.5次元の舞台を携帯で撮影した。
…一見ちょっとモラルがない行動として片付けられそうですが、実は全て複製権の侵害に当たります。
■著作権上における「複製権」とは
「複製」というと、なんとなく「全く同じものをコピーして、二つ以上作り出す」ことを連想しそうですが、実際の条文上では以下のように規定されています。
◎著作権法2条1項15号前段:「複製」とは「印刷、写真、複写、録画その他の方法により、有形的に再製すること」
「有形的に再製」と言われてもピンとこないかもしれませんが、次の2点が大きなポイントです。
★「有形物」とは、紙でもハードディスクでも、とにかく形があるものに、対象の著作物を固定することです。
先ほどの例だと、(A)紙(B)譜面(C)携帯、というそれぞれの媒体物に創作物が固定されたため、「複製」に該当します。
★ 複製=著作物と100%全く同じものを再現することではありません。元の著作物と、固定された著作物は、実質的に同一であれば複製と認められます。
最高裁判所では、「著作権の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製すること」と結論付けています。(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件、最高裁昭和53年9月7日判決)
つまり、複製された著作物で、大元の著作物を想起できれば、複製にあたるのです。
■図にしてみると

※引用元:「弁護士で作曲家の高木啓成がやさしく教える音楽・動画クリエイターの権利とルール」https://www.amazon.co.jp/dp/4817849436/
なお、元の著作物の変更に、更に創作性が加われば新たに「翻案権」に該当し、別の権利関係が発生します。
そちらについては、また別記事にて紹介します!